CIVA UT 超音波探傷シミュレーション CEA製

 

概要

UTシミュレーションツールには以下の内容が含まれています。

–  ビーム計算 :ビーム伝搬シミュレーション
–  検査シミュレーション :欠陥または試験片とビームの相互作用のシミュレーション

ユーザーは、あらゆる探触子(コンベンショナルシングルプローブ、フェーズドアレイプローブまたはEMAT)、部品、欠陥を設定して、検査プロセス(パルスエコー、タンデムまたはTOFD)をシミュレーションすることができます。

シミュレーション例

図3図4図5図6図7

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試験

試験体の形状作成及びCADファイル

CIVAのUIでは図形を弄りながら試験体の形状を直感的に作成することができ、またCADデータから読み込むことも可能です。

 

標準形状

平面、円筒形、円錐形、球形

プリセット形状

ノズル、突き合せ溶接およびT継手溶接のテンプレート (13種類のべベル溶接タイプ)、タービンブレードのルート形状、肉厚方向の貫通、屈曲部、締め金属が付いているプレートなど。

2D CADファイル

CAD(DXFまたはIGESフォーマット)データの読み込み、 CIVAの 2Dスケッチ画面内で直接描画することが可能。

3D CADファイル (IGESまたはSTEP形式):

均質または不均質 、固形物質、固形物質の組立重ね構造など、複雑形状を取り入れて計算が可能。

画像( 例えばmacrographs)をCIVAソフトウェアにインポートして、試験片の定義と配置が可能。

たわみ形状

局所的なたわみを簡単に設定するために、標準形状平面や円筒などに局所のたわみ形状を追加することが可能。

CIVAは試験体形状をIGESフォーマットでエクスポートすることもできます。

図8 図9

 

探触子

あらゆる超音波探触子(標準設計と高度設計)に対応します。

■シングルエレメント、デュアルエレメント、 フェーズドアレイ、 TOFD 、タンデム探触子、または  EMATシングルエレメントおよびEMATのフェーズドアレイ

■接触法または水浸法

■長方形、円形または楕円形

■振動子の表面形状によるフォーカス、または音響レンズ付きの探触子によるフォーカス

■平面または球面/二焦点/フェルマー探触子

■振動子表面から放出されたパルスは、アポダイゼーション関数によって均一または可変であると見なすことができます。

■工業用探触子のライブラリ (シングルエレメントまたはフェーズドアレイ)をデータベースから直接ロードできます。

図10

フェーズドアレイ設定

さまざまなフェーズドアレイ探触子が利用可能です。

■環状、1Dリニア 、 2Dマトリクス 、2D扇形または楕円パターン、EMATフェーズドアレイ

■チューブ検査用の形状に沿った円形アレイ

■リニアまたはマトリクスパターンのフレキシブルフェーズドアレイ探触子(接触法でパラメトリックまたはCAD試験片対応)

■カスタムフェーズドアレイ (マニュアルまたはランダムにエレメントを配置)

図11

CIVAを使用すると、標準および高度なフェーズドアレイ技術に、時間の遅延則およびシーケンスの遅延時間を計算できます。

  • 送受信エレメントの共通設定または独立設定
  • 電子スキャン、シンプルまたはアドバンスト(送信または受信時の可変アパーチャなど)
  • SAUL アルゴリズム

任意の形状(標準または複雑)および材料(均質または不均質材料、等方性および異方性)の試験体に対して、最も単純な構成から最も高度な構成まで時間の遅延則を計算できます。

  • セクタースキャン
  • 1つまたは複数の任意点にフォーカスをあてる
  • 電子スキャン
  • 不均一振幅計算のアプリケーション(不均質要素から応答影響、ビームアポダイゼーション)ダイナミック遅延則のアプリケーション(複雑な形状の場合、遅延則はスキャン軸に沿った各探触子位置に対して個別に計算できます)

図12            図13

 

【TFM(Total Focusing Method)】

CIVAは、Total Focusing Method(デジタル全点フォーカス)アルゴリズムを用いて、欠陥面と試験片境界面を最適に再構成することができます。 この処理は、データ収集した結果及びフェーズドアレイシミュレーションから、指定された画像範囲に信号を組み合わせることで、すべての焦点ポイントに合わせられます。

主なデータ収集方法はFull Matrix Capture(各素子送受信波全組合わせ収集法)、またはPWI(Planar Waveform Imaging)です。

TFMは、探触子を一つの位置で計算するか、または機械的スキャンと関連付けられます。 この場合、累積またはスライディングTFM再構成モードが利用可能です。 または、Adaptive TFM(表面凹凸追従デジタル全点フォーカス法)もCIVAでテストできます。

きず

 試験体には任意の数の欠陥を挿入できます。

■校正用欠陥:サイドドリルホール、平底穴および半球の穴

■任意のサイズと向き、長方形または半楕円形の平面欠陥

■ノズルの接続部における欠陥

■多面欠陥、2D CAD輪郭欠陥、 枝分かれ欠陥

■球状の気孔や固体の介在物(円柱、球、楕円形)などの欠陥

図14

CIVAで利用可能な欠陥形状の例

計算結果

ビーム計算シミュレーション

試験体内の超音波ビームをシミュレーションします。

試験体内の複数の反射スキップ点を計算することができます。

 あらゆるモードのリストがあり、スキップ数、内部反射、レイヤ間のモード変換などを手動で設定することもできます。

図15

  試験体内の複数のスキップを考慮した角度を持つ液浸トランスデューサー付きビーム

 

ビームは、振幅値のカラー表示またはIso-Surface表示ができます。

ビームの伝搬方向を矢印で表現したり、アニメーション表示したりすることができます。フェーズドアレイ探触子においては、マルチショットモード(セクタスキャンなど)で、シングルビームと累積ビームの両方を表示することができます。

図16

 フェーズドアレイプローブによるマルチショット

【検査シミュレーション】

超音波ビームの試験体内における伝達をシミュレーションすることができます。

■反射法

 ・反射エコー、コーナーエコー、端部エコーなどの振幅と伝搬時間を計算

 ・無制限の反射スキップ数

 ・形状エコー(底面、入射面、および内部の境界面反射エコー)、モード変換、

  クリーピング波の計算も可能

TOFD

欠陥端部によって発生した端部エコーが横波と同じように計算されます。

モードリストからどのモードで計算するかを選択することができます。

図17

検査シミュレーション結果: Scan, A-Scan

■パラメトリックスタディ

NDT検査に影響を与える任意のパラメータ値を変化させながら、繰り返し計算をすることで、変化していく元のパラメータ値に応じた広範囲の計算結果をリアルタイムで得ることができます。

また、メタモデルを作成することが可能です。

 

POD(Probability of Detection) Computations (欠陥検出可能性の計算)

 不明確なパラメータ入力に基づいて、 POD計算 (Probability Of Detection)が可能です。

 シングルまたはアレイのPOD曲線をCIVAでプロットできます。

図18

  検査シミュレーション結果: POD Curve

 

図19

  メタモデルによるパラメトリック解析

 

【ビーム伝播エリア及び、ビーム伝播経路】

CIVAには高度なビームトレース機能があります。

伝播および反射された様々なモード(縦波、横波、モード変換)を表示することができます。

超音波ビーム上の伝搬時間を表示することで、反射信号、伝搬時間を解析することができます。

また、CIVAは所定のセンサー固定位置で超音波ビームをリアルタイムで表示するだけでなく、スキャン位置(フェーズドアレイ探触子の場合は異なるショットも)ごとに、ビーム伝搬エリアを描画することができます。

試験片境界と欠陥へのビームの入射角も示され、視覚的にビーム伝搬エリアを評価することができます。

図20   図21

固定位置でのビーム伝播エリアの結果           指定エリア内のフルスキャン結果

 

【分析ツール】

■計算結果

A-スキャン、echodynamicカーブ、B-スキャン、C-スキャン、S-スキャン、E-スキャン。

試験体上に描画、再構成され、直感的に伝搬現象を理解することができます。

またそれらを標準試験片の欠陥較正に用いることも可能です。

TCG(Time Corrected Gain)はDAC曲線からも適用できます。

ゲート

計算前と計算後のどちらでも設定することができ、モード識別ツールを使用すると、エコーの元となる異なるモードを識別できます。

測定ツール:

振幅または距離測定機能。

図22     図23

アクイジションゲート定義/モード識別ツール

■出力:

結果はASCIIファイル(Aスキャン、Cスキャン、POD曲線など)としてエクスポートすることができます。

CIVA UT ANALYSIS:

シミュレーション結果に加えて、 CIVAは実験データファイル (M2M®システム、GEKKO®、Omniscan®など)をインポートして後処理することができます 。

 

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